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秀太郎のおじさま と 桜丸

 

5月もあっという間だった・・・・・

・ 大宮のRaiBoC Hall の柿落とし、

・ 猿之助のお兄さんと「二人を観る会」、

・「ART歌舞伎 Music Live in Tokyo 2022」

一期一会の舞台。

喜びとともに単発公演の大変さも強く感じながら、

植物を毎朝観察する日課が増え、

1日1日を過ごしておりました。

あ!また読みたい本を積んでいる山が減っていない・・・・・

 

 

5月23日、秀太郎のおじさまの御命日でした。

お亡くなりになられて1年。

たくさんのお習いしたことを振り返ったり、

お稽古いただいた時の音源などを聞き返したり、

改めて「もうお習いできないのか」と思うと、

また悲しみが溢れ、心細くなりました。

 

そんな中、思いもよらぬ巡り合わせが!

2020年3月、幻となり消え去った、明治座での「車引」。

その時と同じ、梅王丸・巳之助のお兄さん  桜丸・壱太郎 にて

来月6月、歌舞伎座で上演することとなりました!

「いつか必ず、やりたい!」と思っていた念願がここで実現する。

 

そして、

松緑のお兄さん、猿之助のお兄さん とも、

一つの舞台で共演させていただける!

 

さらに、

このお役は、僕がしっかりとお稽古をしていただき、

秀太郎のおじさまにお習いした最後のお役です。

上方の思い、雰囲気、空気を醸し出せるよう!

 

色々なことがある。

悲しんだり、気落ちして下を向いている場合じゃない!

後ろ向きではなく前向きに生きなきゃ!

よし!やるぞ!そう思い直しました。

 

嬉しきことが重なり合い、

来月は歌舞伎座の舞台へ出演します。

大切に懸命に勤めてまいります。

 

珍しき立役の姿、

そして、思い深き桜丸のお役を、

一人でも多くの方にご覧いただけましたら幸いです!

皆様のお力での拡散、お声かけも含めて!

ご観劇お待ちしております!

よろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

↓↓

◇ 2022年6月2日(木) ~ 6月27日(月)  東京 歌舞伎座
    『  六 月 大 歌 舞 伎   』   [第一部]   11:00-  
  
  「  菅 原 伝 授 手 習 鑑  」    桜 丸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「娘道成寺」の歌詞 (「徳穂・徳陽の會」リサイタルver.)

「娘道成寺」

 

花のほかには松ばかり 花のほかには松ばかり 暮れ染めて鐘や響くらん

鐘に怨みは数々ござる 初夜の鐘をつく時は 諸行無常と響くなり

後夜の鐘をつく時は 是生滅法と響くなり

晨朝(じんじょう)の響きは 生滅滅巳 入相は寂滅為楽と響くなり 

聞いて驚く人もなし

我も五障の雲晴れて 真如の月を眺め明かさん

 

言わず語らぬ我が心 乱れし髪の乱るるも

つれないは ただ移り気な どうでも男は悪性者(あくしょうもの)

都育ちは蓮葉な ものじゃえ

 

恋の分里 武士も道具を伏編笠で 張りと意気地の吉原

花の都は歌でやわらぐ敷島原に

勤めする身は誰と伏見の墨染

煩悩菩堤の撞木町より 難波四筋に通い木辻に

禿立ちから室の早咲きそれがほんに色ぢゃ

ひい ふう みい よう 夜露 雪の日

下の関路も 共に此の身を 馴染重ねて 仲は丸山 ただ丸かれと

思い染めたが縁じゃえ

 

恋の手習いつい見習いて 

誰れに見しょとて 紅鉄漿(べにかね)つきょうぞ

みんな主への心中立て おお嬉し おお嬉し

末はこうじゃにな そうなる迄は とんと言わずに 済まそぞえと

誓紙さえ偽りか 嘘か誠か どうもならぬほど逢いに来た

ふっつり悋気 せまいぞと たしなんで見ても 情なや

女子には何がなる

殿御殿御の 気が知れぬ 気が知れぬ

悪性な 悪性な 気が知れぬ

恨み恨みて かこち泣き

露を含みし桜花 さわらば落ちん風情なり

 

おもしろの四季の眺めや 三国一の富士の山 

雪かと見れば 花の吹雪か吉野山

散り来る 散り来る 嵐山

朝日 山々を見渡せば 歌の中山 石山の

末の松山いつか大江山

生野の道の遠けれど 恋路に通う浅間山

一と夜の情け有馬山

いなせの言の葉 あすか木曽山 待乳山

我が三上山 祈り北山 稲荷

 

園に色よく 咲初めて 紅をさすが品よくなりよく

ああ 姿優しや しおらしや

さっさそうじゃいな そうじゃいな

皐月五月雨  

早乙女 早乙女 田植唄

早乙女 早乙女 田植唄

裾や袂を濡らした さっさ

 

花の姿の乱れ髪 思えば思えば恨めしやとて

竜頭に手を掛け飛ぶよと見えしが

引きかついでぞ失せにける

 

 

 

 

「賎機帯」の歌詞 (「徳穂・徳陽の會」リサイタルver.)

「賎機帯」

 

名にし吾妻の隅田川 桜に浮かぶ富士の雪 

柳に沈む筑波山 むらさき匂ふ八重霞 

錦をここに都鳥 古跡の渡なるらん

 

(舟人のセリフ)

 

春も来る 空も霞の瀧の糸 乱れて名をや流すらん 

笹の小笹の 風いとい 花と愛でたる うない子が 人商人にさそわれて 

行方いづくと白木綿の 神に祈りの道たずね 

浮きてただよう岸根の 舟の こがれこがれていざこと問わん 

我が思い子の 有りや無しやと狂乱の 

 

舟人これを見るよりも 好い慰みと戯れの 

気違いよ 気違いよと 手を打ちたたき  囃すにぞ 

 

狂女は聞いて振返り  ああ気違いとは  曲もなや 

物に狂うは我ばかりかは  鐘に桜の物狂い 嵐に波の物狂い

菜種に蝶の物狂い 

三つの模様を縫いにして 愛し我が子に着せばやな 

子を綾瀬川  名にも似ず 心関屋の里ばなれ 縁の橋場の土手伝い 

行きつ戻りつここかしこ 尋ぬる我が子はいずくぞや 教てえたべと夕汐に

 

舟長なおも拍子にかかり 

それその持ったるすくい網に  面白う花を掬いなば 

恋しと思うその人の  在処を教へ参らせん 

 

なに  面白う花を掬えとか  いでいで花を掬わん 

 

舟長 今は気の毒さ  何がなしおにと立ちあがり

そもさても  和御寮は  誰人の子なれば  何程の子なれば 

尋ねさまようその姿  見る目も憂しと  いさむれば

 

音頭音頭と戯れの  鼓の調べ引締めて  鞨鼓(かっこ)を打って見しょうよ

 

面白の春の景色や  筆にもいかで尽さん 

霞の間には樺桜  雲と見えしは三吉野の  吉野の川の滝津瀬や 

風に乱るる糸桜  いとし可愛の児桜  慕ひ重ねし八重桜  一重桜の花の宴  いとしらし 

 

千里(ちさと)も薫る梅若や 恵みを仰ぐ神風は 

今日ぞ日吉の祭御神楽  君が代を 久しかれとぞ祝う氏人(うじびと)